クラス会議
2025/5/20
「目的論」で学級は変わる!2年目教師のためのアドラー心理学的学級経営

小学校教員2年目。少し余裕が出てきたからこそ、「学級をもっと安定させたい」「子どもたちにもっと前向きになってほしい」と考える先生は多いはず。そんなとき、力強いヒントになるのがアドラー心理学の「目的論」です。
■ アドラー心理学と「目的論」とは?
アドラー心理学では、「人の行動はすべて“目的”に向かっている」という考え方を大切にします。これを目的論と呼びます。たとえば、授業中にふざける子がいたとき、「その子は何を目的にしているのか?」と考えるのがアドラー的視点です。
「注目されたい」「仲間に入りたい」「支配したい」など、行動の裏には必ず“目的”がある。その目的に目を向けず、ただ叱っても根本的な解決にはなりません。目的に寄り添う関わりこそが、学級を安定させるカギなのです。
■ 目的論を学級経営に生かす3つのステップ
- 行動の裏側にある“目的”に気づく
たとえば、いつも授業中に話してしまう子がいたとします。表面的には「うるさい子」でも、その行動の目的が「友達に認められたい」だとしたら、対応は変わります。「そんなことしちゃダメでしょ!」ではなく、「あなたの発言、みんなにも聞かせたいな。発表の時間に教えてくれる?」と促すことで、目的(認められたい)を尊重した対応ができるのです。
- 「どうしたらうまくいくか?」を一緒に考える
目的論を活用するうえで大切なのは、“問題”を一方的に指摘するのではなく、“よりよい方法”を共に探る姿勢です。たとえば、「友達とトラブルになる子」に対して、「どうしたら気持ちを伝えられたと思う?」と問いかけることで、子どもは自分の目的を見つめ直し、改善策を考える力が育ちます。
- 子どもを“行動の主人公”にする言葉かけ
「〇〇しなさい」ではなく、「〇〇してみる?」といった選択を促す声かけに変えるだけでも、子どもの自己決定感が育ちます。目的を持って行動できる子は、ブレにくく、落ち着いて行動できます。教師はサポーターとして、子どもが自分の行動に責任を持てる環境を整えましょう。
■ 学級の安定とは「目的が満たされる場」をつくること
子どもたちが、自分の存在意義を感じ、目的を持って行動できる教室こそが、安心して過ごせる学級です。アドラー心理学の目的論を取り入れた関わりは、問題行動の「原因」ではなく「意味」に目を向けることを促してくれます。
2年目の教師は、経験も悩みも増えるタイミング。でもその分、学びが深まり、関わり方が変われば、クラスの空気も大きく変化します。
アドラー心理学の「目的論」を学級経営に取り入れ、子どもたちと一緒に前を向く教室づくりを、ぜひ実践してみてください。
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