クラス会議
2023/3/16
いじめ、自殺予防、外国籍児童理解 などの全ての問題にクラス会議が有効な理由
生徒指導提要が改訂されました
300ページ近くあってとても読めないよという方もたくさんいると思いますが、とても大切なことが書かれているのでぜひお友達と一緒に読んだり、職場の方と読み合わせをすると良いと思います。
ググってみるとまとめサイトなどもあり、要点が書かれているのでまずはそういったものを確認するのもオススメです。
生徒指導といっても決して身だしなみ指導ではない
子どもをどうやって導いていくとよいのか、自発的・主体的な子どもを育てるためにはということが書かれています。それ以外にも、子どもの個別の課題によりそうことや、いじめの早期発見・未然防止。自殺教育などについても書かれています。
と言っても、子どもの個別の課題と一言でいっても本当にたくさんあり、セクシャルマイノリティ・SNS・発達の差・外国人児童・貧困・虐待などなど本当に多くの課題や問題があります。
いじめや自殺予防についても、本当に必要な子もいれば全く必要のない子もいて、一斉に授業を受けたり、専門家を呼んで話を聞いてもなかなか効果は出にくいのではないかと思います。
なにより先生たちは本当に忙しいのにこれ以上〇〇教育を増やしてくれるな
という現場の悲鳴に近い声もよく聞こえてきます。
英語・道徳・SDGs・ICTなどなど一つ一つをみればどれも大切なことばかりですが、それを「はい」やりましょう!!といきなり現場に振ってくるので、それは先生たちも多忙感に打ちのめされそうになるよなと思います。
個別の課題についても、いじめや自殺予防についてももちろん大切です。けれども、通常の授業もある中でいかにその時間を捻出していくのか。
そしてそれぞれの課題にぴたりとハマるものを準備しようとすると、これまた膨大な時間がかかってしまいます。
だったらどうすればいいのか。それを解決できるひたった一つの方法があります。それは
クラス会議です!!
以下に理由を説明します。
例えば、外国人児童の問題。クラスに当事者となる子がいる中で、その問題を取り扱うことで、逆にその子が特異な目で見られてしまうこともあります。
では、いない状態で授業をしたとしても、子どもたちに困り感や課題感がなければそれは机上の空論となってしまい、真剣に考えることは難しくなります。
ではクラス会議で取り扱うとしたらどうなるでしょう。
教室の中に外国人児童がいたとします。その子が漢字を覚えるのが難しいと感じていました。それを議題として出します。まずは、みんなからどんなところが難しいのか、何に困っているのか質問を受けます。例えば、家で両親が英語やポルトガル語で話しているので、馴染みがないとか。画数が多すぎて覚えられないとか。一つの漢字にいろいろな読み方があって難しいと思っているかもしれないです。
この困り感をみんなで共有することが、すでに相互理解の始まりなのです。日本の子にとって漢字は身近にある当たり前のものです。小さい頃から接しているし、自分の名前にも使われています。両親にわからないことを聞けば、すぐに答えてくれます。けれども外国人の子にとってそれは当たり前ではないのです。ここが、外国の文化を知るスタートになります。
先生が同じ話を授業で取り扱ったとしても、「ふーーん」で終わってしまう話が、クラス中で困っている子がいることで、とても切実な悩みとして聞こえてくるのです。
そして、それについてみんなでどう解決していくのかを真剣に考えていきます。ある子は、お風呂に漢字ポスターを貼って覚えているのかもしれません。ある子は、漢字YouTubeを見て覚えているかもしれません。そういった普段は語られない努力の裏側を、みんなと共有することで、実はみんながんばっていることを知るのです。相談をした、外国の子のそれを聞いて安心します。決して自分だけが困っているのではなく、みんな通ってきた道なのだと知ることで、次に困っている時に「助けて」と声を上げることができるようになります。
授業中漢字を覚える時間に隣の席の子が「大丈夫?」と声を掛けるかもしれません。休み時間に仲の良い子が「覚えられた?」と優しく聞くかもしれません。そういう積み重ねが、本当の意味での相互理解であり、外国の文化理解に繋がるのです。
これはあくまで一例ですが、コンテンツありきで、先生から一方的に提供をしても、子どもにとっては「ないそれ?おいしいの??」状態で、
身につくことは少なくなります。そうではなく、目の前に困っている子、悩んでいる子がいる時に初めて、理解しようとかわかろうとしていくのではないでしょうか。
だからこそ、クラス会議が有効なのです
1年間一緒に生活をしているといじめも起こります。家庭でもたくさんの問題が起こります。転入生が来て文化の違いに戸惑うこともあります。
感情のコントロールが苦手ですぐ手が出てしまう子もいます。そういった全ての問題が問題ではなく、子どもたちにとっても生きる学びのタネになっていくのです。
これらの問題を、時間外に先生一人で対応しているとそれこそパンクしていきます。いくら時間があっても足りないからです。
A君に対し、それを一生懸命説いても、しばらくすると同じ問題をB君が起こすこともあります。A君の問題解決に5時間費やしたとしても、B君にはまるで関係がない状態だと、次に問題が起こった時にさらに5時間費やすことになるのです。もうめんどくさいし、時間もないから30分で!!解決しようとはならないのです。それこそB君の保護者は烈火のごとく怒るでしょう。
そうではなく、教室の中で起こる全ての問題を、生きる教材として活用することで、みんなが少しずつ成長していける。これこそがまさに新しい学びに繋がる方法だと思います。というか、逆に言うとこれしかないのではと思います。
クラス会議を学ぶことで、先生も子どもも幸せになる道を提案しています。興味がある方は声をかけてください。オンラインでもオフラインでも提供することができます。
直近だと2月12日(日)に千葉県君津市でオフラインで講座を行います。
こちらはクラス会議についての記事をまとめてあります