学びの形
2023/12/15
教育新聞さんに「子どもに任せるができないのはなぜ?」をテーマに取材していただきました。
教育新聞さんの記事はこちら
https://www.kyobun.co.jp/article/2023120702
残念ながら有料配信になるので途中までしか読めません。これを機に加入していただくのもおすすめです。
私が伝えたかったこと
子どもに任せることで「思ったようには進まないけれども、想定を超えた学びが生まれる」ということ。計画通りに進めていれば、もちろん計画の中で収まります。この程度は進んで欲しいなというこちらの想定の範囲でしか学びは広がりません。けれども、思い切って子どもに任せることで、こちらの予想を遥かに超える学びがあるのです。
先日行った大学の講義から
90分の講義時間のうち45分を学生に預けました。グループ4人で、どこに行って何をしても良いので、人生で初めて行うことをやってきましょうという課題を出しました。
最初学生たちは廊下で何をしようかなと迷っているんですが、まずは外へ出てみようと声をかけると、みんなゾロゾロと外へ行って、人生の初体験をそれぞれ経験していました。
○マクドナルドへ行って「スマイルください」と注文する
○1円パチンコを打ってみる
○生協へ行ってPOPを書かせてもらう
○ワゴンカーに載せてもらい料理を作らせてもらう
○近くに住むじいちゃんにグループのメンバーを会わせてみる
○ハガキを買って、お互いの住所を書いてポストに投函する
○ヒッチハイクをしてみる
○アルミホイルと太陽で目玉焼きが作れるか実験してみる
○馬術部の馬ににんじんをあげてみる
もちろんこれらは自分の想定にはなかったし、これが何の学びになるの?かってことだと思うんですが、それは現段階ではっきりさせなくても良くて、何より初めての体験をするってこんなに楽しいしワクワクするし、仲良くなれるんだと学生たちが感じてくれたのであれば、そんなに嬉しいことはありません。
ハガキを送り合ったグループは、将来「お手紙」のがまくんとかえるくんの授業を行うときに、かなり実感をもって語ることができるし、生協でPOPを書いたグループは、社会科の商店の単元の時の説明が豊かになります。
1次情報の価値が高まる
これだけGIGAが進み、スマホが一人一台あるからこそ、1次情報の価値はぐーんと跳ね上がります。ネットで「馬」と検索すれば、馬の大きさや色、特徴や何を食べるかはすぐに出てきます。けれども、馬のリアルな匂いや鼻息までは伝えることができないのです。
すぐに便利で簡単なググる選択をしてしまいますが、やはりわざわざ現場に行って、匂いを嗅いで、ビクビクしながらニンジンを直接あげる体験にこそ学びのタネがたくさん詰まっているのです。
ネット検索では脳は動かない
ワクワクしながら、感動するからこそ脳がたくさん働き記憶にも残るのです。きっとこの体験をした学生の多くは、一次情報に触れる大切さに気づき、教壇に立ったとき、理科の実験も映像で済ますのではなく、実物に触れ、匂いを感じることの重要性を知ることになったでしょう。
「任せる」の話から随分ずれましたが、、、
子どもへの任せ方はこちらの本にたくさん書きましたし、各分野のトップランナーの先生方にそれぞれの分野ごとの任せ方やスモールステップについても語っていただきました。自分の得意な分野からでいいので任せてみませんか??
こちらの記事もたくさん読まれています。そろそろ通知表のシーズンですね。