DAO会議
2023/2/6
DAO会議(クラス会議)が企業に有効な理由

教室の中で約10年間クラス会議を実践してきて、教員研修や民間の研修でも100回程度、計2000人以上の方に受講していただいた。それだけでなく中京大学野球部ではモチベーションディレクターとして、100人に及ぶ学生、マネージャー、コーチのみなさんにも日々の練習の中で、取り組んでもらった。
以下企業向けのものをDAO会議と呼びます。なぜDAO会議が企業の中で有効に働くのかを説明する。
DAO(Decentralized Autonomous Organization)とは日本語にすると「分散型自律組織」のことである。管理する人がおらず、透明性が担保されている。だれでも組織に参加できるブロックチェーン上の話です。この分散型自律組織という考え方が、非常に近いのでネーミングに採用しました。
1、心理的安全性はどこの組織、チーム、教室でも必要である

(1)幅15センチの板が、高さ20メートルの所に設置されていたとする。落ちたらケガをすることがわかっている板を走ることはできない。それどころか、進むこともままならないかも知れない。
(2)同じ幅15センチの板でも、高さ20センチの所に設置されていれば、進んでみようと思う。何度かトライしているうちに、走ることもできるかも知れない。この何度かトライしてみようと思えるかどうかも結構重要だったりする。
(3)幅が15センチから1メートルに広がれば、誰もが普通の道と同じように歩くことができる。中には、前転やバク転をする強者も出てくる。
これは極端な例かも知れないが、(1)に比べて(3)の心理的安全性が高いことは言うまでもない。心理的安全性がない所で、人はチャレンジをしようとも思えないのである。
2、リモート勤務、コロナ対策、働き方改革によって結びつきが希薄になっている

働き方改革が進み、仕事から早く帰ることができる。これはとてもいい点である。リモート勤務が進み、家でも仕事ができたり、通勤時間の短縮、育児をしながらも仕事ができることもメリットがある。けれども、今まで顔を合わせることで、雑談をしたり相談したりできていたことが、できなくなる。わざわざ電話やメールをするまでもないが、ちょっと話したいこと、少しだけ相談したいことの中に大切なことは含まれている。
仕事に関わることだけでなく、プライベートな相談。今抱えている悩み。働き方。お客さん対応。などなど、ちょっと相談したいけれど、わざわざ時間をくださいとも言いにくいし電話をかけるのも気が引ける。いつも忙しい、忙しいと言っている上司や同僚を目の前にすると、相談しておいた方が本当は良いのだが、これぐらいは我慢しようとか黙っておこうということが積み重なる。そういう小さなトゲが刺さったままになっていると、後々どんどん痛みを増していく。
雑談することや飲みにいくことで、抜くことができていたトゲを抜くことができず、それがいくつも重なる。一つ一つは、小さなものであるが、それが溜まってくると結構な痛みになる。ある日突然耐えきれなくなって、休職or退職となるのである。え!昨日まで元気だったじゃんという人が、突然来なくなったり休んでしまう裏側にはそういった理由が隠されているのです。
3、そもそも会議の仕方を習ったことがない

何も進まず、何も決まらずダラダラと長いだけの会議。偉い人の偉い長い話。参加している人は、早く終わらないかなと思いながら、下を向いている。オンライン会議だと、画面の外でスマホを見たり、Twitterにうつつを抜かしている。そんなこともよくある。これは一体誰が悪いのか、ファシリテーターだけが悪いのではない。そもそも会議って何をするものなのかの前提共有ができていなかったり、会議が有効であることを全員がわかっていないのである。
DAO会議では、対等感のある中で、全員参加が基本である。みんなで発言する機会が与えられ、発言することがない時にはパスすることも許される。まずは全員が発言することを許容されていること。そんな大前提すらもままならい会議にたくさん出くわしてきた。
学校で行われる職員会議、会社で行われる営業会議、町内会議。いろいろな場面で残念な会議に出くわす度に、ため息が出る。そして、DAO会議を浸透させていこうと心に誓うのである。
こちらは教室での実践ですが、参考になるところもたくさんあります↓↓↓
