クラス会議
2022/1/28
クラス会議の議題「鼻をほじる人がいる」
クラス会議を開催
議題ボックスに出ていたのは「マスクをしない人がいる、鼻くそをほじる人いる」と言う議題である。
この議題を見たときに話すべきがどうするか少しだけ悩んだ。
わざわざ話しあうまでもなく、やめたほうがいいよって伝えればいいのではと思ったからである。
結果としては話してよかったなと思う理由はいくつかあるが
1、相談者のモヤモヤが消えたこと
相談してくれた子は、今まで鼻をほじるところを見て嫌な気持ちになっていた。
それを注意するのではなく、嫌だなぁと思いながらもそのままにしていた。
会が終わってどうだった??と聞くと「めちゃくちゃスッキリしたー」ってとても満足そうな表情であった。
このモヤモヤを抱えたまま教室で過ごすのと、それを解消してから過ごすのとでは180度違った生活になる。
相談してくれた子と議題に上がった子の間柄もきっとすこぶる改善する。ちょっとしたことなのだが、そのちょっとしたことが大切なのである。
2、議題になった子も守られる
クラス会議がなかったらと想定してみる。鼻くそをそのままほじり続けていたとしよう。
直接「やめろ!」と言っても角が立つし、陰でひそひそ言えばいじめに繋がる。
一番いいのは直接「やめてね」と優しく言うことであるが、それはそれで結構ハードルが高い。かなりのソーシャルスキルが要求される。
今回の場合はそれはできないと判断したからこそ議題としてBOXに入れてくれたのだと思う。
クラス会議がなく、陰でひそひそ言われ続けていたらと想像すると、その子にとっても決して居心地の良いものではなくなってしまう。
今回はベストとは言えないかもしれないが、ベターな方法で解決に向かうことができた。
3、周りの子も学べる
人前で鼻くそをほじるのではない。当たり前と言えば当たり前であるが、結構これを守れていない大人もいる。
電車の中や、会社の中、ひどい場合にはご飯屋さんなどの公共の場でもついやってしまっている残念な大人もいる。
今回のクラス会議を経験することで、そういうことはよくないことだと学ぶことができた。けれども鼻くそが出るのは自然なことだし、正常なことなのではと言う意見も出た。
それを知った上で、じゃあどうしていくのかいいのかを学ぶことができた。
- ティッシュを使う
- スプレーを使う
- 学校ではほじらない
- 綿棒を使う
こういった解決策を用いることで、人を不快にさせずにクリアしていく方法を共有できたのである。
4、ソーシャルスキルって本当に必要な時にしか身につかない
先日祖母の葬式があった。香典を持っていくのにいくらなのか、どのタイプの香典袋を用意すれば良いのかわかっているようでわかっていなかった。
一生懸命調べて、妹と相談して、恥ずかしい話だが母親や奥さんとも相談した。必要な事態だったので真剣に学んだのである。
葬式と比べては良くないかもしれないが、普段「鼻くそはほじり方」の授業をしてみても、すでにわかっている子にとっては必要のないものであるし、人前でやってしまう子にとっては何がいけないのかわからないのである。だからこそ、このタイミングで困っている子がみんなに相談する。まさに生きた教材になり、必要なので学ぶことができるのである。
今回関係ないと思われる子にとっても、言いにくいことを伝える方法を学ぶことができたもの大きい。
クラス会議の解決策として
「本人に直接なんでやるのか聞く」というものであった。これは子どもに任せるのは少しハードルが高いと感じたので、会の終了後に議題提案者から誰のことなのか聞き出し(といいながらおおよその目処は立っていたが)、こっそりその二人を呼んで話を聞くことができた。二人に聞いてみると揃って「ほじっていることは無意識だった」とのことであった。
そうだったんだねと共感した上で、嫌がっている人がいるからこれから気をつけようねと約束して終えた。きっと二人の心に沁みたに違いない。これからは気をつけて過ごしてくれるだろう。
今回ポイントだと思ったのは、その子を名指しで否定しないということである。その子にも立場があるので、みんなの前であからさまに言ってしまうのは全くの逆効果である。だからこそ、問題なのは人ではなく、行為という共通認識をみんながもった上で、クラス会議が進んでいったことがとてもよかった。
まだまだ話の聞き方、参加態度などはうまくないなと思うことはあったが、確実に話し合うことができていてよかったなと思うクラス会議であった。
クラス会議について学びたい方はこちらへ
クラス会議をやると勤務時間も短くなります っていうブログ記事