クラス会議
2023/8/24
春日井市鳥居松小学校 クラス会議研修
クラス会議研修
昨年も呼んでいただいた鳥居松小学校でクラス会議の研修を行いました。
昨年度の研修の様子
こうやって2年連続で呼んでいただけると、先生方の変容や実際にやってみての質問や感想を聞くことができるので非常にありがたいです。
昨年度も感じましたが、教務の先生が席をくじで作ってそこにそれぞれの目標が書いてあります。
例えば「笑顔で好意的に受け止めよう」など先生方にワンポイントメッセージが添えてあるのです。これだけで非常にやる気が生まれる仕組みですね。
前半は「マインドフルネス」と「リアクティブとプロアクティブ」のワーク。
後半は実際にクラス会議を行いました。
先生方からいただいた質問にお答えします
低学年でクラス会議を行う際のアドバイスなどありますか。
低学年だと最初はなかなか集中力が保ちづらいです。ですから、輪になって座るだけで隣の子にちょっかいをかけたり、じっと座っているのが難しい子もいます。まずはそうであること知っておくこと、無理に座らせたり、注意ばかりを繰り返すとクラス会議に対するモチベーションが下がります。
例えば、短い時間(15分)で話し合うとか、間にミニゲームを入れるなどの工夫が最初は有効です。
クラス会議は週もしくは月にどれくらいの頻度で行うものなのでしょうか。
本当は短い時間でも毎日やるのが良いとされています。ジェーンネルセンさんも毎日やると良いと言っています。ハッピーサンキューナイスだけは朝の会で毎日行い。問題解決の部分は、週に1回の特別活動の時間にやるのが良いのではないでしょうか。
クラスで初めて行う場合、適切なグループの人数はありますか。
最初のうちは、全員で行いファシリテーターを先生が務めるのが良いでしょう。5・6回繰り返し子ども達がクラス会議に慣れてきたら、小グループで話し合う方法も取り入れると、一人が話す時間が長くなり途中でだれずに話し合うことができるでしょう。
以前やった際は、子どもたちにメリットやクラス会議をやる意味を伝えきれていなくて、ふざけたり話し合いができなかったりして失敗してしまったように感じることがありました(僕自身の勉強・経験不足もありました)。深見先生のクラスでは、子どもたちが真剣に取り組もうと思えるような工夫はされていますか。
もちろん最初からうまくいくことばかりではありません。私も最初は全くうまくいかず、やればやるだけクラスが荒れている気がしていました。けれども、なんのためにやるのかを最初に子どもたちに伝えて、やるかやらないかを自己選択してもらうことで、うまくいかない時にも、先生のせいにせずに取り組む子が増えました。
最初に、自分たちのことは自分たちで話し合って解決していくクラスにする??と尋ねることが一番大切です。
クラス会議がなかなか時間内に終わりません。どうすれば良いでしょうか。
時間は有限です。特に学校で行う場合は、時間割があるので必ず45分で終わることを伝えます。そうすることで、時間を意識して取り組めるようになっていきます。だらだらと延長をすると、子どもたちはいつまでも話し合っています。
議題が多く出てきて、なかなか選ぶのが難しいのですが、どのようにされていましたか。
議題がたくさん出るということは、クラス会議に対し子どもたちが前向きに捉え、やる意味があると感じている証拠です。まずはそこを好意的に受け止めましょう。そして、あらかじめ子どもたちに議題がたくさんある場合は、緊急度と重要度が高いものから話し合うことを伝えます。いじめの話と遊びの話なら先に取り上げるのはいじめの話ということを伝えておきます。
そうすることで自分の議題がなかなか取り上げられないという思いを減らすことができます。あとは、議題を出してくれた子を呼んで、お互いにどちらの話を優先するべきか決めてもらうこともします。
定期的に必ずクラス会議をやるというのも実は大切なポイントで、やったりやらなかったりとなると子どもたちはクラス会議に対して、信頼感を無くしていきます。
クラス会議で話し合ったことで満足してか、なかなか1週間継続して取り組むことができないことが最近続いています。
これはクラス会議に取り組んだからこそ見えてくる課題ですね。割と子どもたちは自分の思いを聞いてもらったり、悩みを打ち明けられたことで満足する場合があります。解決策を実行することも大切かもしれませんが、重要なのはクラスや相談した子が良い方向に向かっているかどうかです。ですから、翌週に先週話し合ったことの経過報告をしてもらい、悩みが軽くなったりいい方向に進んでいれば、必ずしも解決策を行なっていなくても大丈夫ということになります。
以前実施したときには、全員が参加することに重きを置いて行いました。しかし、間延びしているように感じ、活発な話し合いとはいえませんでした。どのような手立てが考えられますでしょうか。
クラス会議はクラス会議の時間だけで成立するのではない
いつも話し合いをしていないのに、いきなりクラス全体で話しあおうと言われても子どもたちは混乱します。ですから、授業の時にも、ペアでの話し合いをこまめにたくさん取り入れ、話すことに慣れておくことが大切です。
あとは、学級びらきから隙間時間を見つけて、アイスブレイク遊びをたくさん取り入れます。そうすることで、失敗してもお互いに笑い合ったり、みんなの前でミスをすることが許される学級になっていきます。普段から、先生自身が自己開示をしたり、一緒に遊んで爆笑することで安心安全な学級が出来上がり、クラス会議でも思っている意見を言い合える関係ができていきます。
こんなアイスブレイクはいかがでしょう??
クラス会議を中心に学校経営をすることで
現場の先生たちから、人が足りませんというSOSの声がよく届きます。4月からすでに足りてない状態でスタートし、みんな少しずつ無理をして夏休みを迎える。そこで無理がたたって療養休暇に入る先生がいたり、問題を起こす先生が出たりしている。
要は火の車で回しているので壊滅的になってきている現場がたくさんあるということ。
こんな施策も発表されているが根本的な解決には程遠いと思われる。
そこで大切になるのが、お互いに相談できる関係づくりである。特に職員室がこうなっているチームは強いし、ピンチの時にまとまれるのである。
昔、同じ学校に勤める先生が子どもへ体罰をしてしまったことがある。マスコミにも大きく取り上げられ、Twitterには学校の電話番号が載せられて、総攻撃を仕掛けろ!!と書き込みがされていた。
かなりの有事であった。職員室の電話は3日3晩鳴り止まず、先生たちは日に日に疲弊していった。
私も現場近くにいたということで警察に呼ばれて、4時間近く検証に付き合った。もちろんしてしまったことはいけないことであるが、この時に感じたのが、やはり先生方が助け合える関係であるかどうかであった。
幸い普段から、関係づくりを意識してくれているベテランの先生がいてくれたおかげで非常に仲の良い職員室であった。職員旅行に行ったり、飲み会もほとんどの職員が出席するなど古き良き時代だったのかもしれない。要は関係の質が高かったので、有事の際にも一致団結することができたのである。
クラス会議を学校の中心に据えることで、先生方の関係がとても良好になる。
研修を1回行なっただけで笑顔で職員室に戻っていかれる先生方が多いのがその証拠である。
<今回研修に参加してくださった先生方の感想>
学校が本当の意味でピンチになる前に、先生方の関係を良好にしていく。これって今の現場に必要なことなのではないでしょうか。
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