考え方
2025/9/20
日本経済教育学会 第41回全国大会

大会テーマ〜学校と金融経済教育〜 にシンポジストとして登壇してきました。
金融??教育??みなさんどうですか?学校の中で実践したことありますか?
元バリバリの金融マンであった自分でもなかなか正直教室の中で実践できていたかと言われると???となってしまいます。
けれども15年の教員生活の中で思い返してみたらこれは金融教育だったのでは?!と思いあたることがあったので、そこを中心に発表してきました。
これ以上現場に入れ込むのは難しい
〇〇教育と言われる新しい教育法なり考え方 chatGPTに聞いたらこんなものが出てきました。
1. STEAM教育(Science・Technology・Engineering・Arts・Mathematics)
理数+芸術を統合した学び方。論理的思考と創造性を同時に育てることが目的です。小学校段階では探究活動やプロジェクト型学習と相性がいいです。
2. SEL教育(Social Emotional Learning=社会情動的学習)
共感・感情調整・人間関係スキルなど、非認知能力を伸ばすプログラム。学級経営やいじめ予防にもつながります。
3. 金融・経済リテラシー教育
キャッシュレス社会や副業解禁など、現実の経済構造に即した生活科・総合学習。お金や働き方の感覚を早いうちから養います。
4. プログラミング・AIリテラシー教育
Scratchや簡単なAIツールを使って「仕組み」を知る学び。単なるコーディングだけでなく「アルゴリズム的思考」を重視します。
5. デジタル・シチズンシップ教育
SNS・ネットいじめ・情報発信・個人情報保護など、ネット時代に不可欠な市民スキルを育てます。
6. インクルーシブ教育(多様性・特別支援連携型)
障がいの有無、文化的背景、家庭環境に関わらず一緒に学ぶ仕組みを学校全体で構築。ピアサポート活動なども含まれます。
7. グローバルシティズン教育
英語力だけでなく、異文化理解・SDGs・国際協力をテーマにした体験的プログラム。地域の国際交流やオンライン連携授業とも組み合わせ可能。
8. 環境・サステナブル教育
SDGsや気候変動、生物多様性などの課題を学校の生活や地域活動と直結させて学ぶ。校庭の畑やエコ活動が教材になります。
9. メディア・情報リテラシー教育
ニュースや広告、AI生成コンテンツの見極め方を子どもの段階から身につける。批判的思考(クリティカルシンキング)の養成。
10. マインドフルネス・ウェルビーイング教育
呼吸・簡単な瞑想・自己調整・ストレスマネジメントを授業に取り入れることで、子どもの精神的安定や集中力を支える取り組み。
もちろん全て大切な考え方であり、必要なものばかりである。けれども今の小中学校の現場に入れ込もうとするとパンクしてしまいますということを伝えました。
だからこそ、必要なものは残し、不必要なものは無くしていく。スクラップ&ビルドという考え方が必要じゃないですか??
書道、そろばんなどなどこの辺りはもう手放しても良いかもと感じています。それでもなお、現場はやることが多すぎて疲弊していますが。。。
次の学習指導要領改訂に期待
どうやら次の学習指導要領では校長先生の決められる範囲がかなり大きくなるようです。
だからこそ自分の学校ではここに力を入れます!といった、強弱をつけた運用ができるのではないかと思う。
Aという学校は金融教育に力を入れます。Bという学校は瞑想をいっぱいやりますみたいな。
全部の学校で、あれもこれも大切と言っていって全て入れ込むのではなく、コアカリキュラムだけは統一しておき、学校における独自性を出すところは校長さんによってや、所属している先生たちによって違うプログラムを推進していくという形が良いのではないでしょうか。
私の実践①
初めて6年生を担任した2013年。愛知県家庭科研究大会で発表した授業です。

夏休みにお手伝いをする→お手伝いに応じた金額を給料として設定する
9月に人生すごろくを行う(収入は基本給料から、支出は大きなライフイベント 結婚=200万円 葬式100万円などを通じて、生きていくにはお金がかかることを味わう)
私の実践②
私立に移って一年目。生活科の授業で野菜を育てる単元を投資に絡めて行いました。

自分の親に、種代を投資してもらう。200円の種なら200円もらうためにプレゼンをする。
もちろん親にもお願いをしておいて、そう簡単にはお金を渡さないでくださいと伝えておく。
投資してもらった200円は野菜を売って返すこと。そして、採れた野菜も投資の複利収入として手に入ることをプレゼンしてもらった。
結果として新設私立だったことが仇となり、土が肥沃でなかったことから全て苗は枯れてしまったというオチもありましたが、結構面白い実践にはなった。もちろん保護者には謝罪をしました。みなさん笑って許してくれました。
まとめ
今後の課題はこの3つ
明らかに金融教育をするための先生たちの知識や指導法は不足している。そしてどの時間に行うのか、家庭科などの教科に押し込めてしまって良いのかという課題はたくさん残る。お金至上主義になってしまうことも懸念しないといけない。

解決策
最初に言った通り校長裁量が増えること。ここがまずポイントである。
その上で全ての学校で同じようにするのではなく、やれる学校やれる先生からやっていく形が望ましい。みんなでやるぞ!ってなるとどうしても反発を生むので、やりたい!という気持ちの先生と生徒を大切にしつつ進めていけると良いのではないでしょうか。

ご縁をいただいた名古屋経済大学の高橋先生ありがとうございました。